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身体障害者福祉法における障害のとらえ方

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身体障害者福祉法における障害のとらえ方

身体障害者福祉法は、昭和24(1949)年に制定された身体障害者の福祉の増進を図ることを目的とした法律である。この法律で障害をどう捉えているのかについては、第4条で「この法律において、『身体障害者』とは、別表に掲げる身体上の障害がある18歳以上の者であって、都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けたものをいう。」と規定されている。「別表」の例として主なものを抜粋すると次のとおりである。

「1. 次に掲げる視覚障害で、永続するもの。 (1)両眼の視力(万国式試視力表によって測ったものをいい、屈折異常がある者については、矯正視力について測ったものをいう。以下同じ。)がそれぞれ0.1以下のもの。…中略… 2.次に掲げる聴覚又は平衡機能の障害で、永続するもの。 (1)両耳の聴力レベルがそれぞれ70デシベル以上のもの。 (2)一耳の聴力レベルが90デシベル以上、他耳の50デシベル以上のもの。…中略… 4.次に掲げる肢体不自由 (1)一上肢、一下肢又は体幹の機能の著しい障害で永続するもの。 (2)一上肢のおや指を指骨間接以上で欠くもの又は人さし指を含めて一上肢の2指以上をそれぞれ第一指骨間間接以上で欠くもの。…略…(4)両下肢のすべての指を欠くもの。…略…」
これらの例からわかるように、障害のとらえ方は「機能障害の程度」である。別表で挙げた障害に該当し、かつ身体障害者手帳の交付を受けた場合に身体障害者として認定される。

なお、「身体障害者権利条約」では第一条で「障害者には、長期的な身体的、精神的、知的又は感覚的な障害を有する者であって、様々な障壁との相互作用により他の者と平等に社会に完全かつ効果的に参加することを妨げられることのあるものを含む。」とされ、機能障害だけではなく、環境の中で適切に生活できない人を含むという広い定義となっている。欧米では一般的に日本のような障害者手帳はなく、専門家が生活状況を評価して福祉サービスが提供されている。 

ちなみに身体障害者福祉法の一部や別表は以下のとおりとなる。

 第一章 総則

(法の目的)

第一条  この法律は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 (平成十七年法律第百二十三号)と相まつて、身体障害者の自立と社会経済活動への参加を促進するため、身体障害者を援助し、及び必要に応じて保護し、もつて身体障害者の福祉の増進を図ることを目的とする。

(自立への努力及び機会の確保)

第二条  すべて身体障害者は、自ら進んでその障害を克服し、その有する能力を活用することにより、社会経済活動に参加することができるように努めなければならない。

2  すべて身体障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会を与えられるものとする。

(国、地方公共団体及び国民の責務)

第三条  国及び地方公共団体は、前条に規定する理念が実現されるように配慮して、身体障害者の自立と社会経済活動への参加を促進するための援助と必要な保護(以下「更生援護」という。)を総合的に実施するように努めなければならない。

2  国民は、社会連帯の理念に基づき、身体障害者がその障害を克服し、社会経済活動に参加しようとする努力に対し、協力するように努めなければならない。

    第一節 定義

(身体障害者)

第四条  この法律において、「身体障害者」とは、別表に掲げる身体上の障害がある十八歳以上の者であつて、都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けたものをいう。

(事業)

第四条の二  この法律において、「身体障害者生活訓練等事業」とは、身体障害者に対する点字又は手話の訓練その他の身体障害者が日常生活又は社会生活を営むために必要な厚生労働省令で定める訓練その他の援助を提供する事業をいう。

2  この法律において、「手話通訳事業」とは、聴覚、言語機能又は音声機能の障害のため、音声言語により意思疎通を図ることに支障がある身体障害者(以下この項において「聴覚障害者等」という。)につき、手話通訳等(手話その他厚生労働省令で定める方法により聴覚障害者等とその他の者の意思疎通を仲介することをいう。第三十四条において同じ。)に関する便宜を供与する事業をいう。

3  この法律において、「介助犬訓練事業」とは、介助犬(身体障害者補助犬法 (平成十四年法律第四十九号)第二条第三項 に規定する介助犬をいう。以下同じ。)の訓練を行うとともに、肢体の不自由な身体障害者に対し、介助犬の利用に必要な訓練を行う事業をいい、「聴導犬訓練事業」とは、聴導犬(同条第四項 に規定する聴導犬をいう。以下同じ。)の訓練を行うとともに、聴覚障害のある身体障害者に対し、聴導犬の利用に必要な訓練を行う事業をいう。

(施設)

第五条  この法律において、「身体障害者社会参加支援施設」とは、身体障害者福祉センター、補装具製作施設、盲導犬訓練施設及び視聴覚障害者情報提供施設をいう。

2  この法律において、「医療保健施設」とは、地域保健法 (昭和二十二年法律第百一号)に基づく保健所並びに医療法 (昭和二十三年法律第二百五号)に規定する病院及び診療所をいう。

別表 (第四条、第十五条、第十六条関係)

 一 次に掲げる視覚障害で、永続するもの
  1 両眼の視力(万国式試視力表によつて測つたものをいい、屈折異常がある者については、矯正視力について測つたものをいう。以下同じ。)がそれぞれ〇・一以下のもの
2 一眼の視力が〇・〇二以下、他眼の視力が〇・六以下のもの
3 両眼の視野がそれぞれ一〇度以内のもの
4 両眼による視野の二分の一以上が欠けているもの
 二 次に掲げる聴覚又は平衡機能の障害で、永続するもの
  1 両耳の聴力レベルがそれぞれ七〇デシベル以上のもの
2 一耳の聴力レベルが九〇デシベル以上、他耳の聴力レベルが五〇デシベル以上のもの
3 両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が五〇パーセント以下のもの
4 平衡機能の著しい障害
 三 次に掲げる音声機能、言語機能又はそしやく機能の障害
  1 音声機能、言語機能又はそしやく機能の喪失
2 音声機能、言語機能又はそしやく機能の著しい障害で、永続するもの
 四 次に掲げる肢体不自由
  1 一上肢、一下肢又は体幹の機能の著しい障害で、永続するもの
2 一上肢のおや指を指骨間関節以上で欠くもの又はひとさし指を含めて一上肢の二指以上をそれぞれ第一指骨間関節以上で欠くもの
3 一下肢をリスフラン関節以上で欠くもの
4 両下肢のすべての指を欠くもの
5 一上肢のおや指の機能の著しい障害又はひとさし指を含めて一上肢の三指以上の機能の著しい障害で、永続するもの
6 1から5までに掲げるもののほか、その程度が1から5までに掲げる障害の程度以上であると認められる障害
 五 心臓、じん臓又は呼吸器の機能の障害その他政令で定める障害で、永続し、かつ、日常生活が著しい制限を受ける程度であると認められるもの

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