障害者に対する福祉サービス提供

2003(平成15)年4月から障害福祉サービスは、これまでの行政が決定してきた「措置制度」から、利用契約制度である支援費制度が開始された。支援費制度は障害をもつ人が身近な地域で自分にあったサービスを選択し、利用できることをめざしている。サービスを提供する事業者は利用者に選ばれることで、事業者間に競い合いが生まれ、サービスの質が向上することが期待されている。

市町村は、申請が出された障害者に対して、障害程度区分を決定するために、支援の種類ごとのチェック項目(20項目程度)により聞き取り調査を行い、その合計点数により3区分を決定する。支援費支給の手続きは市町村窓口であり、支援費支給の決定は①障害の種類及び程度、②他のサービスの利用状況、③介護者の状況等、による。決定する内容は、施設サービスについては、①支援の種類、②支給期間、③障害程度の区分、④利用者負担額、居宅サービスについては、①支援の種類、②支給期間、③支給量、④利用者負担額、とされている。

支給決定されると「受給者証」が市町村から交付される。支給決定を受けたものは自らサービスを選択し、サービスを提供する事業者との間で契約を結ぶ。サービスの提供を受けた後、市町村がそのサービスに対して「支援費」を事業者に支払い、利用者は事業者に直接利用料(利用者負担額)を支払う。

支援費制度の対象となる事業は以下のとおりである。

・施設サービス:身体障害者更生施設、身体障害者授産施設、身体障害者療護施設、知的障害者更生施設、知的障害者授産施設、知的障害者通勤寮

・居宅サービス:身体障害児者、知的障害児の居宅介護等事業(ホームヘルプサービス)、デイサービス事業、短期入所事業(ショートステイ)、知的障害者地域生活援助事業(グループホーム)

支給期間は、施設サービスは最長で3年、居宅サービスは1年(グループホームは3年)とされており、その期間ごとに障害程度区分などの見直しをし、再申請・再認定により継続的に利用できる。受給者証には、①支給期間、②障害程度区分(A,B,C)、サービス内容、④利用者負担額等が記載される。利用者負担額は、利用者自身や扶養義務者の負担能力に応じて決定される。

したがって、支援費制度の実施主体は市町村であるので市町村に支援費支給の申請を行う。

2005(平成17)年3月現在、「障害者自立支援法(案)」が審議されているため、今後、上記の内容の変更が想定される。

2003(平成15)年に身体障害者福祉法等の改正が行われ、それまでの措置制度から「支援費制度」に変わった。このなかで、それまで行政が福祉サービスの利用について権限を持っていたのに対し、事業者と利用者の間での利用契約を結ぶという「利用契約制度」が導入されることになった。この支援費制度に伴い、障害者の在宅サービスの利用が大幅に増えることになった。また、この時、政府としては、増大する障害者福祉予算をまかなうために、高齢者の介護保険制度と統合し、障害者福祉も社会保険制度で運営していきたいという考えもあり、介護保険制度と整合した障害者福祉制度の導入が図られた。それが2005年10月に成立し、2006(平成18)年度より実施されている「障害者自立支援法」である。

この障害者自立支援法では、次のように大きく「自立支援給付」と「地域生活支援事業」の2つが設定されている。自立支援給付はさらに、次の4つの給付化に成り立っている。

① 介護給付:居宅介護、重度訪問介護、行動介護、重度障害者等包括支援、児童デイサービス、短期入所(宿泊のみ)、療養介護、生活介護、施設入所支援、共同生活介護(ケアホーム)等

② 訓練等給付:自立訓練(機能・生活)、就労移行支援、就労継続支援(A型・B型)、共同生活援助(グループホーム)

③ 自立支援医療:(旧)更生医療、(旧)育成医療、(旧)精神通院医療

④ 補装具:車いす、義手、義足、補聴器など

一方、地域生活支援事業の主な事業としては、コミュニケーション支援事業(手話通訳やようやく筆記等)、移動支援事業(ガイドヘルパー等による外出の援助)、相談支援事業、日常生活用具給付等事業、地域活動支援センター機能強化事業などが実施されている。

なお、一見、同じく少人数の利用者で共同生活を行う事業として、グループホーム(共同生活援助→訓練等給付)、ケアホーム(共同生活介護→介護給付)、などもある。

グループホーム(共同生活援助)は夜間や休日、共同生活を行う住居で、相談や日常生活上の援助をし、ケアホーム(共同生活介護)は、夜間や休日、共同生活を行う住居で、入浴、排せつ、食事の介護等を行うことと規定されている。
障害者自立支援法の福祉サービスについて

1. 介護給付を受ける際には、障害程度区分認定を受けなければならない。介護保険制度でいう要介護認定と同様、障害者への介護給付の必要度を6段階の区分(区分1~6で、6の方が介護の必要度が高い)で示す。障害の特性を踏まえた判定ができるよう、介護の必要度だけでなく、行動障害や精神面等の項目も踏まえた106項目のアセスメント調査をして、市町村審査会で認定がなされる。なお、訓練等給付を受ける場合は、アセスメント調査のみで、障害程度区分認定は行われない。

2. 就労継続支援事業は訓練等給付に位置付けられるもので、一般企業等での就労が困難な人に、働く場を提供し、知識や能力の向上のために必要な訓練を行うものである。この就労継続支援では、一般企業で働く際には、雇用関係を結ぶ「A型」と雇用関係を結ばない「B型」がある。

3. ケアホーム(共同生活介護)とは、介護給付に位置付けられるもので、夜間や休日、共同生活を行う住居で、入浴、排せつ、食事の介護等を行うものである。

4. 自立訓練とは、自立した日常生活又は社会生活ができるよう、一定期間、身体機能または生活能力の向上のために必要な訓練を行うものである。自立訓練には、身体機能の向上のための機能訓練と生活能力の向上のための生活訓練の2つの訓練が含まれている。

まぎらわしいものを再確認すると、
① 「共同生活介護(ケアホーム)」→介護給付
夜間や休日、共同生活を行う住居で、入浴、排せつ、食事の介護等を行う。

② 「共同生活援助(グループホーム)」→訓練等給付
夜間や休日、共同生活を行う住居で、相談や日常生活上の援助を行う。

③ 「福祉ホーム」→地域生活支援事業
住居を必要としている人に、低額な料金で、居室等を提供するとともに、日常生活に必要な支援を行う。

次に障害者自立支援法における福祉サービス提供に関しては「指定障害福祉サービス業者の一般原則」として以下のように規定されている。

(指定障害福祉サービス事業者の一般原則)
第三条 指定障害福祉サービス事業者は、利用者の意向、適性、障害の特性その他の事情を踏まえた計画(以下「個別支援計画」という。)を作成し、これに基づき利用者に対して指定障害福祉サービスを提供するとともに、その効果について継続的な評価を実施することにより利用者に対して適切かつ効果的に指定障害福祉サービスを提供しなければならない。

2 指定障害福祉サービス事業者は、利用者又は障害児の保護者の意思及び人格を尊重して、常に当該利用者又は障害児の保護者の立場に立った指定障害福祉サービスの提供に努めなければならない。

3 指定障害福祉サービス事業者は、利用者の人権の擁護、虐待の防止等のため、責任者を設置する等必要な体制の整備を行うとともに、その従業者に対し、研修を実施する等の措置を講ずるよう努めなければならない。

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