2009(平成21)年度手話通訳者全国統一試験
場面通訳試験問題
場所:会議室
人物:磯部さん(ろう者)、佐伯さん(市役所職員)、佐々木さん(サークル会員)、佐藤さん(民生委員)
状況:「安心ネットワーク作り」のための会議
市職員:皆様、お忙しいところ、安心ネットワークづくりの会議にお集まりいただきありがとうございます。私は司会の佐伯(さえき)と申します。よろしくお願いします。前回は、防災マニュアルの作成について、視覚障害者の方、肢体不自由の方にご意見をいただきました。今回は聴覚障害者の方からも忌憚のないご意見をお願いします。
ろう者:私は聴覚障害者協会会長の磯部と言います。よろしくお願いします。避難場所は小学校の体育館ですよね。放送があっても、私には聞こえないのでわかりません。また、コミュニケーションが大変で、聞こえない人に対する配慮が必要だと思います。
市職員:たとえば、どんな方法があるでしょうか。
ろう者:例えば、アイドラゴンという機械は文字放送の機会でこれがあると手話と字幕を同時に見ることができます。これは高齢者や耳が聞こえないみんながわかって便利だと思います。
サ会員:(はい)私は手話サークル「楓(かえで)」の佐々木です。補足します。耳が聞こえないと言っても色々です。だから手話、筆談と一人ひとりに合った配慮をお願いしたいです。
ろう者:私はいつも手話でコミュニケーションをしています。私たちはやはり手話通訳者をおいてほしいです。手話がいちばんよくわかり通じるのでOKです。
市職員:わかりました。昼間の災害で家族が出かけている場合について、ご家族で話をされていますか。
ろう者:私の家族は、子供達は健聴者で私たち夫婦がろう者です。避難場所をどこにするか、また連絡方法はどうするかとを家族みんなで話し合っています。
民生委:民生委員の佐藤です。隣近所の助け合いも必要です。町内会では毎年9月の第1日曜日に避難訓練をしています。高齢者や子どもも、そして障害者の方も顔見知りになって、いざというときに助け合えるようにしたいですね。
市職員:そろそろ時間になりました。皆さんから貴重なご意見をいただきました。これらを次回につなげていきたいと思います。次回は6月28日になります。今日はありがとうございました。