ことばの仕組み
1. 手話に関する記述について
(1) 手話は、視覚で認識できる動作言語である。
(2) 手話は手の形、位置、動きの組み合わせによって単語が作られる。
(3) 日本語と手話の翻訳は、日本語から手話に、手話化に日本語に翻訳するどちらの場合でも同時通訳が可能である。
2. 音声言語の主な特徴について
(1) 擬音語や擬態語を除いて、音とそれが表す意味との間には必然的な関係はない。
(2) 言語の基本的な単位の一つとして「文」があり、その文は「単語」を組み立てて成り立っている。
(3) 有限の数の音素や形態素を、言語に内在する規則に従って組み合わせることによって、伝えられるメッセージを無限に近いものにすることができる。
3. 手話の特徴について「人類の文化である言葉には、音声語と手話が含まれる。」とされている。
4. 音声語の特徴について
(1) 発語されるときは時間の流れに沿って展開されていき、絵画やグラフのように同時に多くのメッセージをだすことがない。このことを「言語の線条性」という。
5. 音声言語について
(1) 音声言語の主な特徴としては、言語記号の恣意性、二重分節性、線条性、メッセージの生産性などがある。
6. 手話の特徴について
(1) 手話は有契的、写像的といわれているが、次第に恣意的な単語が増えてきている。
(2) 手話単語は、手の形・位置・動きの組み合わせによって作られる。
(3) 手話はわが国ではまだ「国語」として認定されてはいない。
7. 手話や音声言語の特徴について
(1)「犬」のことを日本語では/inu/という音で表し、英語では/dog/という音で表します。どちらも音と意味との関係は偶然です。このようなことを「音と意味との関係は恣意的である」といいます。
(2)有限の数の音素や形態素を組み合わせることで、文法に従って伝えられるメッセージを無限に近いものにできます。これを「メッセージの生産性」といいます。
(3)手話は音声語と比較すると有契性の高い言語ですが、次第に恣意的な語が増えてきているともいえます。
8.「犬」のことを日本語では/inu/という音(オン)で表しますが、英語では/dog/
という音で表します。音と、それが表す意味との間には必然的な関係はありません。このようなことを「音と意味との関係は恣意的である。」という。
9.手話や音声言語の特徴について
(1) 格関係や上下関係を表すため、手話表現時には上体移動や手の動きの方向活用が見られ、疑問や驚きなどは表情によってわかる。
10.音声言語では舌が一枚のため、同時に複数のメッセージを発することができませんが、手話は手が日本あるため、同時に複数のメッセージを発することができます。また左右の手を同時に使い分けることによって(左右・前後・上下)、関係を明示できます。このことをメッセージの同時性といいます。
11.記号の恣意性とは、音と意味との間に因果関係、必然性がないということです。一例をあげると、犬を日本語では「いぬ」と言いますが、「いぬ」と言わなければならない理由はありません。これに対し記号の有契性とは、語形と意味との間に必然性があることをいいます。手話は日本語に比べればこの特徴を指摘できますが、あくまでも相対的であって、絶対的な特徴ではありません。