平成25年度 手話通訳技能認定試験問題Ⅰ障害者福祉の基礎知識

平成25年度 手話通訳技能認定試験問題

Ⅰ障害者福祉の基礎知識

1.エンパワメントに関する記述として正しいものを、下の中から一つ選びなさい。

エンパワメントとは、問題を抱えた人々が、自己決定能力、問題解決能力をつけていくことである。

エンパワーメント(エンパワメントとも、Empowerment)とは一般的には、個人や集団が自らの生活への統御感を獲得し、組織的、社会的、構造に外郭的な影響を与えるようになることであると定義される。

2.ノーマライゼーションに関する記述として正しいものを、下の中から一つ選びなさい。

・ノーマライゼーションには、障害のある人々の生活条件を他の市民と同等にしていくという意味がある。

「ノーマライゼーション」とは、障害者や高齢者など社会的に弱い立場にある人々が社会の中にいるのが通常の社会であり、一般社会の中で普通の生活が送れるような条件を整えるべきであり、ともに生きる社会こそノーマルな社会であるという考え方である。

1999(平成11)年版「障害者白書―ノーマライゼーションの世界的展開―」において、「現在の障害者施策の基本理念の一つであるノーマライゼーションの思想は1950年ごろにデンマークで生まれたものであるが、誕生から半世紀を過ぎた今日、この理念は国際社会を構成する世界各国において広く認められ、実現の水準に格差はあるものの、すべての国が障害者施策の目標をここに置いていると言っても過言ではない」と書かれている。

以上のように、ノーマライゼーションの理念は、1950年代前半にデンマークにおける「知的障害者の親の会」から、その当時、知的障害があると一生施設で生活するのが当然のように行われてきた福祉について疑問が出され、知的障害を持っていても家族と一緒に生活することができるように国に訴えたことから、デンマークの障害者行政担当官であったバンク・ミセルケンが、1959年(昭和34)年に制定された「知的障害者等福祉法」において、「知的障害者の生活を可能な限り通常の生活に近づけるようにする」と定義づけたことに発している。のちにバンクーミセルケンは「ノーマライゼーションの父」と言われるようになった。

その後、1967(昭和42)年にスウェーデンにおいて制定された「知的障害者援護法」にもノーマライゼーションの理念が規定された。その制定にかかわったベンクト・ニィリエ(「ニルジェ」と訳されることもある)は1969(昭和44)年に「ノーマライゼーションの原理」をまとめた。その中でニィリエはノーマライゼーションを「すべての知的障害者の日常生活や条件を、社会の通常の環境や生活の仕方にできるだけ近づけるようにすること」と定義し、ノーマライゼーションを考える時の具体的な視点として、ベンクト・ニィリエは以下の8項目を挙げた。

① 1日のノーマルなリズム
② 1週間のノーマルなリズム
③ 1年間のノーマルなリズム
④ ライフサイクルでのノーマルな経験
⑤ ノーマルな要求の尊重
⑥ 異性との生活
⑦ ノーマルな経済的状態
⑧ ノーマルな生活環境

のちにニィリエは「ノーマライゼーションの育ての父」と呼ばれた。

このように、デンマークやスウェーデンのノーマライゼーションの考え方は、障害者の生活環境や社会福祉制度の改善を重視してきたのに対して、アメリカ・カナダでの普及に尽力したヴォルフェンスベルガーは、ノーマルな生活というのは国や地域によって異なることを重視し、環境整備と共に、障害者自身が「社会的な役割」を獲得し、それによって障害者の社会的なイメージを高めるよう訴えた。

この理念の影響を受け、アメリカやカナダにおいては、ヴォルフェンスベルガーかノーマライゼーションの普及に努めた影響で知的障害者や精神障害者の大型施設を解体し、社会からの隔離や分離をなくそうとしてきた。

ヴォルフェンスベルガーはドイツに生まれたが、アメリカに移住し、心理学と特殊教育の博士号を取得した研究者である。北欧で生まれたノーマライゼーションの思想を英語圏及び国際的に普及せる上で大きく貢献した。理念として抽象的に語られていたノーマライゼーションの思想を実際のサービス評価に具体化し、「価値ある社会的な役割の獲得(ソーシャルロール・ヴァロリゼーション)」を提唱した。

日本においては、「ノーマライゼーション」は、障害者に関する長期計画、障害者に関する新長期計画、障害者基本計画、障害者プランなど、高齢者や障害者を含むすべての人々の社会福祉の理念として位置付けられている。公共施設のバリアフリー、障害者施設の脱施設化と在宅福祉サービス、障害児教育における統合教育等が進められていくようになった。

1990年8月に日本の日欧文化交流学院でバンクーミセルケンが行った最終講義において、以下のような内容を話している(花村春樹『ノーマライゼーションの父』、ミネルヴァ書房、1996年、193頁)。
「障害の状況によっては、施設に入居する形をとらなければならない場合もあります。しかしその場合でも、かってのように1,000人も一緒に生活するような施設のあり方は、とんでもない誤りです。そのような施設に代わる新しいものが必要です。それはグループホームあるいは少人数の居住施設です。施設の小規模化、脱施設化という言い方もできるでしょう。」

メイスは、ユニバーサル・デザインの提唱者である。それまで障害者に利用できるように「バリアフリー」が提唱されてきたのに対して、ユニバーサル・デザインは障害者だけでなく、高齢者や妊産婦等、そして健常者も含めた、すべての人に使いやすいデザインの製品や建築物、生活環境を作っていくことを設計の方針としたものである。

このようなノーマライゼーションやユニバーサル・デザインの理念が日本でも普及していくなかで、公共施設のバリアフリー化や障害者施設の脱施設化と地域生活、障害児教育における統合教育等がすすめられていくようになった。

3.次の文章は、1975(昭和50)年の国連総会で決議された「障害者の権利宣言」の一部である。( )内を埋めて文章を完成させよ。

・障害者は、その人間としての尊厳が尊重される生まれながらの権利を有している。障害者は、その障害の原因、特質及び程度にかかわらず、同年齢の市民と同等の基本的権利を有する。このことは、まず第一に、可能な限り通常のかつ十分満たされた相当の生活を送ることができる権利を意味する。

4.1980(昭和55)年に発表された国際障害分類(ICIDH)は、2001(平成13)年に国際生活機能分類(ICF)として改定された。その理由として誤っているものを、下の中から一つ選びなさい。

(1) 障害の主観的側面が考慮されていないから。
(2) 障害を人間と環境との相互作用のもとで理解しているから。
(3) 障害をマイナス面から捉えているから。
(4) 医学モデルに重きが置かれているから。

障害とは何かを考える時、1980年に世界保健機構(WHO)が公表した「国際障害分類(ICHDH)」は障害の問題を、広く社会の問題として考えるのに大きな影響を与えた。

1980(昭和55)年にWHO(世界保健機構)は「国際障害分類試案」(ICIDH)を発表し、障害についての分類・定義・細目に関する考え方を示した。障害を3つのレベル、すなわち、「病気・変調」により、身体的・精神的な喪失をする「機能障害(impairment)」が生じ、それにより生活上の能力が制約されている「能力障害(disability)」が生じ、最終的には、それにより社会的な役割を果たすことが制限され、社会的な不利益を被る「社会的不利(handicap)」つながることを明らかにしたように階層的にとらえることの意味は、それぞれの段階における問題の所在を専門技術の立場からまたは施策実施の立場から明らかにし、適切な対応をできるようにすることにあった。

例えば、聴覚障害の場合であれば、聴覚がない「機能障害」、それにより聞くことができないという「能力障害」、それにより、買い物の時に商品の説明をしてもらえないという「社会的不利」が生じるということである。こうして障害による問題が3層になっており、それぞれの問題に対応していく必要性が認識されるようになったのである。

しかし、このICIDHは障害のマイナス面を強調しすぎているという批判があった。

1980(昭和55)年にまとめられたICIDHからほぼ20年近く経過し、ICIDHが各国で利用されるにつれ問題点も指摘され、改定への要望も高まった。国際的な検討作業の結果、2001(平成13)年5月に、健康分類および健康関連分類として作成され、(障害を含む)健康がどのように影響を受けているかを明らかにした新たな国際障害分類(International Classification of Functioning,Disability and Health, 略称ICF)が示された。名称からもわかるように「障害分類」ではなく「生活機能分類」として、障害者にかかわらず、すべての人にかかわる分類となっている。そのために、表現も中立的になり、機能障害は「心身機能/身体構造」、能力障害は「活動」、社会的不利は「参加」と変更された。また、これらは「環境因子」と性別や年齢等の「個人因子」によって影響を受けるとされる。ここでいう環境因子とは、「物的環境や社会的環境、人々の社会的な態度による環境の特徴がもつ促進的あるいは阻害的な影響力」とされている。

以上のことからわかるように、障害が病気・外傷その他健康状態から直接的に障害が生じ、専門職の個別的治療を必要とする「医学モデル」と、障害が社会環境によって作り出されており、社会的活動によって取り組まれるとする「社会モデル」の両方の側面を統合する形でICFは構成されている。

ICFは障害を3つのレベルで捉える面では大きな違いはない。これまでのICIDHが病気や変調の帰結として機能障害、能力障害、社会的不利と、一方向の流れとして整理されていたが、ICFは健康状態、機能障害、活動、参加、背景因子(環境面と個人)の双方向の関係概念として整理された。これまでの否定的、マイナス的な表現から、中立的、肯定的な表現に変更され、「機能障害」は「心身機能・身体構造(body functions and structure)」に、「能力障害」は「活動(activity)」に、「社会的不利」は「参加(participation)」に置き換えられた。

また、それぞれの背景因子として地域や家のつくり等「環境因子」と性別や年齢等
個人因子」によって影響を受けるとされている。なお、分類項目としては、「心身機能」、「身体構造」、「活動と参加」、「環境因子」とに分類されている。

こうして、ICFでは、単に障害による制約のみを問題にするのではなく、常に環境との関わりのなかで障害を見て以降ということになったのである。例えば、視力が非常に低い人がテレビ会社に勤めるのと、ラジオ会社に勤めるのとでは、その障害による問題の現れ方の度合い、仕事の支障を考えると大きな違いが生じることは容易に想像されよう。

例えば、聴覚障害者の場合、物的環境では字幕があればテレビを見ることに問題がないこと、社会環境では手話通訳制度があればコミュニケーションに問題がないこと、態度では手話ができない人と話をするときにすぐに筆記で対応したり、手話を学ぼうとするようなことである。

このように、ICFでは、単に機能障害による制約のみを問題にするのではなく、常に環境とのかかわりのなかで障害をみる。

障害による活動や参加の制約というのは、常に環境とのかかわりのなかで生じるということである。

以上の説明でのICIDHのモデル図は以下のとおりであり、ICFのイメージはhttp://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/08/h0805-1.html

のURLのとおりである。

5.次のア~エの障害者の人権に対する具体的な取り組みを、成立が古いものから順に並べるとどうなるか、下の中から一つ選びなさい。

ア. 障害者に関する世界行動計画(1982年)
イ. 国際障害者年(1981年)
ウ. 障害者の権利宣言(1975年)
エ. 障害者の権利に関する条約(2006年)

6.次の文章の( )にあてはまる適切な数を、下の中から一つ選びなさい。

平成18(2006)年の我が国の総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は、20.8パーセントであった。それに対し、同年行われた「身体障害児・者実態調査(厚生労働省)」によれば、身体障害者のうち、65歳以上の割合は(63.5)パーセントであり、より高齢化が進ん呈゛ると言える。ちなみに平成13(2001)年は61.8パーセントであった。データの詳細についてはhttp://barrierfree.nict.go.jp/relate/statistics/population3.html
のURLを参照されたい。

7.厚生省(現厚生労働省)の昭和47(1972)年難病対策要綱で「疾病の範囲」とされた難病に関する記述として正しいものを、下の中から一つ選びなさい。

(1) 原因は解明されているが、治療方法が未確立な疾患である。
(2) 医学用語で、高度な治療を要する疾患である。
(3) 寝たきりや生命の維持が困難となることが多い疾患である。
(4) 経過が慢性にわたり、経済的・精神的な負担も大きい疾患である。

難病対策要綱・47 年10 月・厚 生 省
・いわゆる難病については、従来これを統一的な施策の対策としてとりあげていなかったが、難病患者のおかれている状況にかんがみ、総合的な難病対策を実施するものとする。
難病対策として取り上げるべき疾病の範囲についてはいろいろな考え方があるが、次のように整理する。

(1) 原因不明、治療方法未確立であり、かつ、後遺症を残すおそれが少なくない疾病(例:ベーチェット病、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス)
(2) 経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家族の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病(例:小児がん、小児慢性腎炎、ネフローゼ、小児ぜんそく、進行性筋ジストロフィー、腎不全(人工透析対象者)、小児異常行動、重症心身障害児)

対策の進め方としては、次の三点を柱として考え、このほか福祉サービスの面にも配慮していくこととする。
(1) 調査研究の推進
(2) 医療施設の整備
(3) 医療費の自己負担の解消
なお、ねたきり老人、がんなど、すでに別個の対策の体系が存するものについては、この対策から、除外する。

8.次の文の( )に当てはまる後の組み合わせを、下の中から一つ選び文章を完成させなさいなさい。

障害者基本法第二条にいう社会的障壁とは、「障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営むうえで障壁となるような社会における事物、(制度)、(慣行)、観念その他一切のものをいう」とされている。

障害者基本法http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S45/S45HO084.html

第一章 総則

(目的)
第一条  この法律は、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのつとり、全ての国民が、障害の有無によつて分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策に関し、基本原則を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の基本となる事項を定めること等により、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一  障害者 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であつて、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。
二  社会的障壁 障害がある者にとつて日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。

(地域社会における共生等)
第三条  第一条に規定する社会の実現は、全ての障害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有することを前提としつつ、次に掲げる事項を旨として図られなければならない。
一  全て障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されること。
二  全て障害者は、可能な限り、どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと。
三  全て障害者は、可能な限り、言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段についての選択の機会が確保されるとともに、情報の取得又は利用のための手段についての選択の機会の拡大が図られること。

(差別の禁止)
第四条  何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。
2  社会的障壁の除去は、それを必要としている障害者が現に存し、かつ、その実施に伴う負担が過重でないときは、それを怠ることによつて前項の規定に違反することとならないよう、その実施について必要かつ合理的な配慮がされなければならない。
3  国は、第一項の規定に違反する行為の防止に関する啓発及び知識の普及を図るため、当該行為の防止を図るために必要となる情報の収集、整理及び提供を行うものとする。

9.次の文の( )にあてはまる語句の組み合わせを、下の中から一つ選びなさい。

・障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)第一条では、「障害者及び障害児が(基本的人権)を享有する個人としての尊厳にふさわしい日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付、(地域生活支援事業)その他の支援を総合的に行い、もって障害者及び障害児の福祉の増進を図るとともに、障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会に寄与することを目的とする」とされている。

障害者総合支援法http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H17/H17HO123.html

第一章 総則

(目的)
第一条  この法律は、障害者基本法 (昭和四十五年法律第八十四号)の基本的な理念にのっとり、身体障害者福祉法 (昭和二十四年法律第二百八十三号)、知的障害者福祉法 (昭和三十五年法律第三十七号)、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律 (昭和二十五年法律第百二十三号)、児童福祉法 (昭和二十二年法律第百六十四号)その他障害者及び障害児の福祉に関する法律と相まって、障害者及び障害児が基本的人権を享有する個人としての尊厳にふさわしい日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付、地域生活支援事業その他の支援を総合的に行い、もって障害者及び障害児の福祉の増進を図るとともに、障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする。

(基本理念)
第一条の二  障害者及び障害児が日常生活又は社会生活を営むための支援は、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため、全ての障害者及び障害児が可能な限りその身近な場所において必要な日常生活又は社会生活を営むための支援を受けられることにより社会参加の機会が確保されること及びどこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと並びに障害者及び障害児にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものの除去に資することを旨として、総合的かつ計画的に行わなければならない。

(市町村等の責務)
第二条  市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、この法律の実施に関し、次に掲げる責務を有する。
一  障害者が自ら選択した場所に居住し、又は障害者若しくは障害児(以下「障害者等」という。)が自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、当該市町村の区域における障害者等の生活の実態を把握した上で、公共職業安定所その他の職業リハビリテーション(障害者の雇用の促進等に関する法律 (昭和三十五年法律第百二十三号)第二条第七号 に規定する職業リハビリテーションをいう。以下同じ。)の措置を実施する機関、教育機関その他の関係機関との緊密な連携を図りつつ、必要な自立支援給付及び地域生活支援事業を総合的かつ計画的に行うこと。
二  障害者等の福祉に関し、必要な情報の提供を行い、並びに相談に応じ、必要な調査及び指導を行い、並びにこれらに付随する業務を行うこと。
三  意思疎通について支援が必要な障害者等が障害福祉サービスを円滑に利用することができるよう必要な便宜を供与すること、障害者等に対する虐待の防止及びその早期発見のために関係機関と連絡調整を行うことその他障害者等の権利の擁護のために必要な援助を行うこと。
2  都道府県は、この法律の実施に関し、次に掲げる責務を有する。
一  市町村が行う自立支援給付及び地域生活支援事業が適正かつ円滑に行われるよう、市町村に対する必要な助言、情報の提供その他の援助を行うこと。
二  市町村と連携を図りつつ、必要な自立支援医療費の支給及び地域生活支援事業を総合的に行うこと。
三  障害者等に関する相談及び指導のうち、専門的な知識及び技術を必要とするものを行うこと。
四  市町村と協力して障害者等の権利の擁護のために必要な援助を行うとともに、市町村が行う障害者等の権利の擁護のために必要な援助が適正かつ円滑に行われるよう、市町村に対する必要な助言、情報の提供その他の援助を行うこと。
3  国は、市町村及び都道府県が行う自立支援給付、地域生活支援事業その他この法律に基づく業務が適正かつ円滑に行われるよう、市町村及び都道府県に対する必要な助言、情報の提供その他の援助を行わなければならない。
4  国及び地方公共団体は、障害者等が自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービス、相談支援及び地域生活支援事業の提供体制の確保に努めなければならない。

(国民の責務)
第三条  すべての国民は、その障害の有無にかかわらず、障害者等が自立した日常生活又は社会生活を営めるような地域社会の実現に協力するよう努めなければならない。

(定義)
第四条  この法律において「障害者」とは、身体障害者福祉法第四条 に規定する身体障害者、知的障害者福祉法 にいう知的障害者のうち十八歳以上である者及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第五条 に規定する精神障害者(発達障害者支援法 (平成十六年法律第百六十七号)第二条第二項 に規定する発達障害者を含み、知的障害者福祉法 にいう知的障害者を除く。以下「精神障害者」という。)のうち十八歳以上である者並びに治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病であって政令で定めるものによる障害の程度が厚生労働大臣が定める程度である者であって十八歳以上であるものをいう。
2  この法律において「障害児」とは、児童福祉法第四条第二項 に規定する障害児をいう。
3  この法律において「保護者」とは、児童福祉法第六条 に規定する保護者をいう。
4  この法律において「障害程度区分」とは、障害者等に対する障害福祉サービスの必要性を明らかにするため当該障害者等の心身の状態を総合的に示すものとして厚生労働省令で定める区分をいう。

10.次の文の( )にあてはまる語句の組み合わせを、下の中から一つ選びなさい。

・発達障害者支援法第二条では、「発達障害」とは、「自閉症、アスペルガー症候群その他の(広汎性発達障害)、学習障害、(注意欠陥多動性障害)その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発言するものとして政令で定めるものをいう」とされている。

発達障害者支援法http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H16/H16HO167.html

第一章 総則

(目的)
第一条  この法律は、発達障害者の心理機能の適正な発達及び円滑な社会生活の促進のために発達障害の症状の発現後できるだけ早期に発達支援を行うことが特に重要であることにかんがみ、発達障害を早期に発見し、発達支援を行うことに関する国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、学校教育における発達障害者への支援、発達障害者の就労の支援、発達障害者支援センターの指定等について定めることにより、発達障害者の自立及び社会参加に資するようその生活全般にわたる支援を図り、もってその福祉の増進に寄与することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律において「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。
2  この法律において「発達障害者」とは、発達障害を有するために日常生活又は社会生活に制限を受ける者をいい、「発達障害児」とは、発達障害者のうち十八歳未満のものをいう。
3  この法律において「発達支援」とは、発達障害者に対し、その心理機能の適正な発達を支援し、及び円滑な社会生活を促進するため行う発達障害の特性に対応した医療的、福祉的及び教育的援助をいう。

(国及び地方公共団体の責務)
第三条  国及び地方公共団体は、発達障害者の心理機能の適正な発達及び円滑な社会生活の促進のために発達障害の症状の発現後できるだけ早期に発達支援を行うことが特に重要であることにかんがみ、発達障害の早期発見のため必要な措置を講じるものとする。
2  国及び地方公共団体は、発達障害児に対し、発達障害の症状の発現後できるだけ早期に、その者の状況に応じて適切に、就学前の発達支援、学校における発達支援その他の発達支援が行われるとともに、発達障害者に対する就労、地域における生活等に関する支援及び発達障害者の家族に対する支援が行われるよう、必要な措置を講じるものとする。
3  発達障害者の支援等の施策が講じられるに当たっては、発達障害者及び発達障害児の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)の意思ができる限り尊重されなければならないものとする。
4  国及び地方公共団体は、発達障害者の支援等の施策を講じるに当たっては、医療、保健、福祉、教育及び労働に関する業務を担当する部局の相互の緊密な連携を確保するとともに、犯罪等により発達障害者が被害を受けること等を防止するため、これらの部局と消費生活に関する業務を担当する部局その他の関係機関との必要な協力体制の整備を行うものとする。

(国民の責務)
第四条  国民は、発達障害者の福祉について理解を深めるとともに、社会連帯の理念に基づき、発達障害者が社会経済活動に参加しようとする努力に対し、協力するように努めなければならない。

11.社会福祉法に関する記述として正しいものを、下の中から一つ選びなさい。

(1) 戦後の社会福祉行政の基本を想定した社会福祉事業法を改正したものである。
(2) 福祉サービスの利用者の保護よりも自立支援を重視している。
(3) 国に、社会福祉行政における全面的責任を求めている。
(4) 入所施設を中心とした福祉を重視している。

社会福祉法(しゃかいふくしほう、昭和26年(1951年)3月29日法律第45号)は、社会福祉について規定している日本の法律である。旧法名は社会福祉事業法(しゃかいふくしじぎょうほう)で、平成12年(2000年)法律第111号にて法名を改正。

12.福祉事務所に関する記述として正しいものを、下の中から一つ選びなさい。

(1) 都道府県が設置する福祉事務市では、社会福祉法、地域福祉法、生活保護法の事務を担当している。
(2) 市町村が設置する副事務所では、生活保護法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法の事務を担当している。
(3) 都道府県が設置する福祉事務所には、母子自立支援員または婦人相談員が必ず配置されている。
(4) 市町村が設置する福祉事務所には、身体障害者福祉司、知的障害者福祉士が必ず八されている。

福祉事務所とは、社会福祉法第14条に規定されている「福祉に関する事務所」をいい、福祉六法(生活保護法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法及び知的障害者福祉法)に定める援護、育成又は更生の措置に関する事務を司る第一線の社会福祉行政機関です。都道府県及び市(特別区を含む。)は設置が義務付けられており、町村は任意で設置することができます。
1993年(平成5年)4月には、老人及び身体障害者福祉分野で、2003年(平成15年)4月には、知的障害者福祉分野で、それぞれ施設入所措置事務等が都道府県から町村へ移譲されたことから、都道府県福祉事務所では、従来の福祉六法から福祉三法(生活保護法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法)を所管することとなりました。
詳しくはhttp://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/fukusijimusyo/index.html
のURLを参照のこと。

13.障害者相談支援事業に関する記述として正しいものを、下の中から一つ選びなさい。

(1) 障害者相談支援事業は、地域生活支援事業のうち、市町村の選択事業である。
(2) 障害者相談支援事業は、市町村の直営で実施しなければならない。
(3) 障害者相談支援事業は、個別給付の中の訓練等給付として位置づけられている。
(4) 障害者相談支援事業には、基本相談支援、地域相談支援および計画相談支援がある。

厚生労働省のhttp://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/service/soudan.html

のURLも参考にされたい。

14.障害者総合支援法に規定されている「協議会(自立支援協議会)」が協議するものを、下の中から一つ選びなさい。

(1) 支援体制の整備
(2) 個別支援計画の策定
(3) 福祉サービスの提供
(4) 障害程度区分の決定

http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaiseihou/dl/tuuthi_h240330_25.pdf

のURLにあるように「相談支援事業をはじめとする地域における障害者等への支援体制の整備に関し、中核的な役割を果たす定期的な協議との場として設置する」とありますので、今回の問題では(1)が正答となると思われます。

15.障害者総合支援法に関する記述のうち、誤っているものを、下の中から一つ選びなさい。

(1) 協議会の名称については、地域の実情に応じて定められるよう弾力化する。
(2) 難病患者等で、症状の変動などにより身体障害者手帳の取得ができないが、一定の障害がある場合は、障害福祉サービスを利用できるようにする。
(3) 平成26(2014)年4月から共同生活介護(ケアホーム)は共同生活援助(グループホーム)に統合される。
(4) 障害児を対象とした福祉サービスとして、放課後等デイサービスが位置づけられている。

http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/sougoushien/dl/sougoushien-01.pdf

のURLをご覧いただくと、

・自立支援協議会の名称について、地域の実情に応じて定められる
よう弾力化するとともに、当事者や家族の参画を明確化

・障害者の範囲(障害児の範囲も同様に対応。)
「制度の谷間」を埋めるべく、障害者の範囲に難病等を加える。

・共同生活介護(ケアホーム)の共同生活援助(グループホーム)へ
の一元化し平成26年4月1日に施行。

とありますので、今回の正答は(4)となります。

ぜひとも、今ご紹介した

http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/sougoushien/dl/sougoushien-01.pdf

のURLは繰り返しご覧いただきますようお願いいたします。

16.次の文章の( )にあてはまる最も適切な語句の組み合わせを、下の中から一つ選びなさい。

母子保健法に規定されている、子どもに対する健康診査は(ア)および3歳~4歳で実施される。その目的は、運動機能、(イ)、精神発達の遅滞等の障害を早期に発見することである。

(1)ア:1歳6か月~2歳  イ:視聴覚等の障害
(2)ア:1歳~1歳6か月  イ:視聴覚等の障害
(3)ア:1歳6か月~2歳  イ:構音障害
(4)ア:1歳~1歳6か月  イ:内部障害

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%B3%E5%B9%BC%E5%85%90%E5%81%A5%E5%BA%B7%E8%A8%BA%E6%9F%BB

のURLをご覧いただくと、

(1)1歳6ヶ月を超え満2歳に達しない幼児(母子保健法施行規則第2条第1項) 身体発育状況
・栄養状態
・脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無
・皮膚の疾病の有無
・歯及び口腔の疾病及び異常の有無
・四肢運動障害の有無
・精神発達の状況
・言語障害の有無
・予防接種の実施状況
・育児上問題となる事項
・その他の疾病及び異常の有無

(2)満3歳を超え満4歳に満たない幼児(母子保健法施行規則第2条第2項) 身体発育状況
・栄養状態
・脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無
・皮膚の疾病の有無
・眼の疾病及び異常の有無
・耳、鼻及び咽頭の疾病及び異常の有無
・歯及び口腔の疾病及び異常の有無
・四肢運動障害の有無
・精神発達の状況
・言語障害の有無
・予防接種の実施状況
・育児上問題となる事項
・その他の疾病及び異常の有無

と紹介されている。よって今回の問題の正答は(1)となると思われる。

17.次の文の( )にあてはまる最も適切な語の組み合わせを、下の中から一つ選びなさい。

成年後見制度の特徴的な理念は、(ア)の尊重、(イ)の活用、(ウ)である。

(1)ア:個人     イ:資産    ウ:インクルージョン
(2)ア:自己決定権  イ:資産    ウ:インクルージョン
(3)ア:自己決定権  イ:残存能力  ウ:ノーマライゼーション
(4)ア:個人     イ:残存能力  ウ:ノーマライゼーション

http://www.seinen-kouken.net/1_seido/

のURLをご覧いただくと、

「成年後見制度は精神上の障害により判断能力が十分でない方の保護を図りつつ自己決定権の尊重、残存能力の活用、ノーマライゼーション(障害のある人も家庭や地域で通常の生活をすることができるような社会を作るという理念)の理念をその趣旨としています。」と紹介されています。よって今回の問題の正答は(3)と思われます。

18.次の文の( )にあてはまる最も適切な語の組み合わせを、下の中から一つ選びなさい。

障害児の施設サービスについては、肢体不自由児通園施設、知的障害児通園施設、難聴幼児通園施設、肢体不自由児通園施設、知的障害児施設、重症心身障害児施設等でのサービスに分かれていたが、平成22(2010)年の法改正により、(ア)と(イ)に整理された。

(1)ア:福祉型発達支援   イ:障害児入所支援
(2)ア:障害児通所支援   イ:医療型発達支援
(3)ア:福祉型発達支援   イ:自立型発達支援
(4)ア:障害児通所支援   イ:障害児入所支援

http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaiseihou/dl/sankou_111117_01-06.pdf

のURLをご覧いただくと

市町村による「障害児通所支援」と都道府県による「障害児入所支援」に一元化されたと紹介されています。よって今回の問題の正答は(4)と思われます。

19.次の文の( )にあてはまる最も適切な語の組み合わせを、下の中から一つ選びなさい。

地域生活定着支援センターは、各都道府県に設置され、高齢または障害により自立が困難な(ア)退所者に対し、退所後直ちに福祉サービス等につなげ、地域生活に定着を図る事業を、(イ)と協働して進めている。

(1)ア:保護施設   イ:保護観察所
(2)ア:保護施設   イ:警察署
(3)ア:矯正施設   イ:保護観察所
(4)ア:矯正施設   イ:警察署

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/kyouseishisetsu/index.html

という厚生労働省のURLをご覧いただくと、

矯正施設(刑務所、少年刑務所、拘置所、少年院)入所者の中には、高齢又は障害により自立した生活を送ることが困難であるにもかかわらず、過去に必要とする福祉的支援を受けてきていない人が少なくなく、また、親族等の受入先を確保できないまま矯正施設を退所する高齢者、障害者も数多く存在していることが指摘されています。

このため、厚生労働省では、平成21年度に「地域生活定着支援事業」を創設し、高齢又は障害を有するため福祉的な支援を必要とする矯正施設退所者について、退所後直ちに福祉サービス等(障害者手帳の発給、社会福祉施設への入所など)につなげるための準備を、保護観察所と協働して進める「地域生活定着支援センター」を各都道府県に整備することにより、その社会復帰の支援を推進することとしています。(平成23年度末、全都道府県に開設されました)
なお、平成24年度からは矯正施設退所後のフォローアップ、相談支援まで支援を拡大・拡充し、入所中から退所後まで一貫した相談支援を行う「地域生活定着促進事業」を実施しています。

とあります。よって今回の問題の正答は(3)と思われます。

20.障害者雇用率制度に関する記述として誤っているものを、下の中から一つ選びなさい。

(1) 精神障害者は、一人の雇用をもって二人分として数えることができる。
(2) すべて事業主は、社会連帯の理念に基づき、障害者雇用に関して共同の責任を負う。
(3) 雇用されている精神障害者が精神障害者保健福祉手帳を所持している場合には、雇用率に算定できる。
(4) 法定雇用率を未達成の民間事業所は、その規模によって、法定雇用率に不足する障害者数に応じた障害者雇用納付金を納めなければならない。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/shougaisha/04.html

のURLをご覧いただきたいのですが、今回の問題の正答は(1)となると思われます。

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