母子保健法の子どもに対する健康診査

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母子保健法の子どもに対する健康診査

昭和40(1965)年8月に成立した母子保健法の目的は、第1条で「母性並びに乳児及び幼児の健康の保持及び増進を図るため、母子保健に関する原理を明らかにするとともに、母性並びに乳児及び幼児に対する保健指導、健康診査、医療その他の措置を講じ、もって国民保健の向上に寄与することを目的とする」とされている。

具体的には、新生児の訪問指導(11条)、健康診査(12条)、母子健康手帳(16条)、養育医療(20条)、母子健康センター(22条)などが規定されている。なお、養育医療は、市町村は、養育のため病院又は診療所に入院することを必要とする未熟児に対し、その養育に必要な医療(養育医療)の給付を行うことをいう。

健康診査については、母子保健法12条の中で「満1歳6か月を超え満2歳に達しない幼児、満3歳を超え満4歳に達しない幼児」を対象とした健康診査を行うことを市町村の義務としている。具体的には、「運動機能、視聴覚等の障害、精神発達の遅滞等、障害のある幼児を早期に発見し、適切な指導を行い、障害の進行を未然に防止するとともに、生活習慣の自立、虫歯の予防、幼児の栄養及び育児に関する指導を行い、もって幼児の健康の保持及び増進を図ることを目的としている。」

ちなみに母子保健法は以下の通りとなる。

第一章 総則

(目的)

第一条  この法律は、母性並びに乳児及び幼児の健康の保持及び増進を図るため、母子保健に関する原理を明らかにするとともに、母性並びに乳児及び幼児に対する保健指導、健康診査、医療その他の措置を講じ、もつて国民保健の向上に寄与することを目的とする。

(母性の尊重)

第二条  母性は、すべての児童がすこやかに生まれ、かつ、育てられる基盤であることにかんがみ、尊重され、かつ、保護されなければならない。

(乳幼児の健康の保持増進)

第三条  乳児及び幼児は、心身ともに健全な人として成長してゆくために、その健康が保持され、かつ、増進されなければならない。

(母性及び保護者の努力)

第四条  母性は、みずからすすんで、妊娠、出産又は育児についての正しい理解を深め、その健康の保持及び増進に努めなければならない。

2  乳児又は幼児の保護者は、みずからすすんで、育児についての正しい理解を深め、乳児又は幼児の健康の保持及び増進に努めなければならない。

(国及び地方公共団体の責務)

第五条  国及び地方公共団体は、母性並びに乳児及び幼児の健康の保持及び増進に努めなければならない。

2  国及び地方公共団体は、母性並びに乳児及び幼児の健康の保持及び増進に関する施策を講ずるに当たつては、その施策を通じて、前三条に規定する母子保健の理念が具現されるように配慮しなければならない。

(用語の定義)

第六条  この法律において「妊産婦」とは、妊娠中又は出産後一年以内の女子をいう。

2  この法律において「乳児」とは、一歳に満たない者をいう。

3  この法律において「幼児」とは、満一歳から小学校就学の始期に達するまでの者をいう。

4  この法律において「保護者」とは、親権を行う者、未成年後見人その他の者で、乳児又は幼児を現に監護する者をいう。

5  この法律において「新生児」とは、出生後二十八日を経過しない乳児をいう。

6  この法律において「未熟児」とは、身体の発育が未熟のまま出生した乳児であつて、正常児が出生時に有する諸機能を得るに至るまでのものをいう。

(都道府県児童福祉審議会等の権限)

第七条  児童福祉法 (昭和二十二年法律第百六十四号)第八条第二項 に規定する都道府県児童福祉審議会(同条第一項 ただし書に規定する都道府県にあつては、地方社会福祉審議会。以下この条において同じ。)及び同条第四項に規定する市町村児童福祉審議会は、母子保健に関する事項につき、調査審議するほか、同条第二項に規定する都道府県児童福祉審議会は都道府県知事の、同条第四項に規定する市町村児童福祉審議会は市町村長の諮問にそれぞれ答え、又は関係行政機関に意見を具申することができる。

(都道府県の援助等)

第八条  都道府県は、この法律の規定により市町村が行う母子保健に関する事業の実施に関し、市町村相互間の連絡調整を行い、及び市町村の求めに応じ、その設置する保健所による技術的事項についての指導、助言その他当該市町村に対する必要な技術的援助を行うものとする。

(実施の委託)

第八条の二  市町村は、この法律に基づく母子保健に関する事業の一部について、病院若しくは診療所又は医師、助産師その他適当と認められる者に対し、その実施を委託することができる。

(連携及び調和の確保)

第八条の三  都道府県及び市町村は、この法律に基づく母子保健に関する事業の実施に当たつては、学校保健安全法 (昭和三十三年法律第五十六号)、児童福祉法 その他の法令に基づく母性及び児童の保健及び福祉に関する事業との連携及び調和の確保に努めなければならない。

   第二章 母子保健の向上に関する措置

(知識の普及)

第九条  都道府県及び市町村は、母性又は乳児若しくは幼児の健康の保持及び増進のため、妊娠、出産又は育児に関し、相談に応じ、個別的又は集団的に、必要な指導及び助言を行い、並びに地域住民の活動を支援すること等により、母子保健に関する知識の普及に努めなければならない。

(保健指導)

第十条  市町村は、妊産婦若しくはその配偶者又は乳児若しくは幼児の保護者に対して、妊娠、出産又は育児に関し、必要な保健指導を行い、又は医師、歯科医師、助産師若しくは保健師について保健指導を受けることを勧奨しなければならない。

(新生児の訪問指導)

第十一条  市町村長は、前条の場合において、当該乳児が新生児であつて、育児上必要があると認めるときは、医師、保健師、助産師又はその他の職員をして当該新生児の保護者を訪問させ、必要な指導を行わせるものとする。ただし、当該新生児につき、第十九条の規定による指導が行われるときは、この限りでない。

2  前項の規定による新生児に対する訪問指導は、当該新生児が新生児でなくなつた後においても、継続することができる。

(健康診査)

第十二条  市町村は、次に掲げる者に対し、厚生労働省令の定めるところにより、健康診査を行わなければならない。
一  満一歳六か月を超え満二歳に達しない幼児

二  満三歳を超え満四歳に達しない幼児

2  前項の厚生労働省令は、健康増進法 (平成十四年法律第百三号)第九条第一項 に規定する健康診査等指針(第十六条第四項において単に「健康診査等指針」という。)と調和が保たれたものでなければならない。

第十三条  前条の健康診査のほか、市町村は、必要に応じ、妊産婦又は乳児若しくは幼児に対して、健康診査を行い、又は健康診査を受けることを勧奨しなければならない。

(栄養の摂取に関する援助)

第十四条  市町村は、妊産婦又は乳児若しくは幼児に対して、栄養の摂取につき必要な援助をするように努めるものとする。

(妊娠の届出)

第十五条  妊娠した者は、厚生労働省令で定める事項につき、速やかに、保健所を設置する市又は特別区においては保健所長を経て市長又は区長に、その他の市町村においては市町村長に妊娠の届出をするようにしなければならない。

(母子健康手帳)

第十六条  市町村は、妊娠の届出をした者に対して、母子健康手帳を交付しなければならない。

2  妊産婦は、医師、歯科医師、助産師又は保健師について、健康診査又は保健指導を受けたときは、その都度、母子健康手帳に必要な事項の記載を受けなければならない。乳児又は幼児の健康診査又は保健指導を受けた当該乳児又は幼児の保護者についても、同様とする。

3  母子健康手帳の様式は、厚生労働省令で定める。

4  前項の厚生労働省令は、健康診査等指針と調和が保たれたものでなければならない。

(妊産婦の訪問指導等)

第十七条  第十三条の規定による健康診査を行つた市町村の長は、その結果に基づき、当該妊産婦の健康状態に応じ、保健指導を要する者については、医師、助産師、保健師又はその他の職員をして、その妊産婦を訪問させて必要な指導を行わせ、妊娠又は出産に支障を及ぼすおそれがある疾病にかかつている疑いのある者については、医師又は歯科医師の診療を受けることを勧奨するものとする。

2  市町村は、妊産婦が前項の勧奨に基づいて妊娠又は出産に支障を及ぼすおそれがある疾病につき医師又は歯科医師の診療を受けるために必要な援助を与えるように努めなければならない。

(低体重児の届出)

第十八条  体重が二千五百グラム未満の乳児が出生したときは、その保護者は、速やかに、その旨をその乳児の現在地の市町村に届け出なければならない。

(未熟児の訪問指導)

第十九条  市町村長は、その区域内に現在地を有する未熟児について、養育上必要があると認めるときは、医師、保健師、助産師又はその他の職員をして、その未熟児の保護者を訪問させ、必要な指導を行わせるものとする。

2  第十一条第二項の規定は、前項の規定による訪問指導に準用する。

(養育医療)

第二十条  市町村は、養育のため病院又は診療所に入院することを必要とする未熟児に対し、その養育に必要な医療(以下「養育医療」という。)の給付を行い、又はこれに代えて養育医療に要する費用を支給することができる。

2  前項の規定による費用の支給は、養育医療の給付が困難であると認められる場合に限り、行なうことができる。

3  養育医療の給付の範囲は、次のとおりとする。
一  診察

二  薬剤又は治療材料の支給

三  医学的処置、手術及びその他の治療

四  病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護

五  移送

4  養育医療の給付は、厚生労働大臣又は都道府県知事が次項の規定により指定する病院若しくは診療所又は薬局(以下「指定養育医療機関」という。)に委託して行なうものとする。

5  厚生労働大臣は、国が開設した病院若しくは診療所又は薬局についてその主務大臣の同意を得て、都道府県知事は、その他の病院若しくは診療所又は薬局についてその開設者の同意を得て、第一項の規定による養育医療を担当させる機関を指定する。

6  第一項の規定により支給する費用の額は、次項の規定により準用する児童福祉法第二十一条の二 の規定により指定養育医療機関が請求することができる診療報酬の例により算定した額のうち、本人及びその扶養義務者(民法 (明治二十九年法律第八十九号)に定める扶養義務者をいう。第二十一条の四第一項において同じ。)が負担することができないと認められる額とする。

7  児童福祉法第二十条第七項 及び第八項 並びに第二十一条 の規定は、指定養育医療機関について、同法第二十一条の二 から第二十一条の四 までの規定は、養育医療の給付について準用する。この場合において、同法第二十一条の三第四項 及び第二十一条の四第二項 中「都道府県」とあるのは、「市町村」と読み替えるものとする。

(医療施設の整備)

第二十条の二  国及び地方公共団体は、妊産婦並びに乳児及び幼児の心身の特性に応じた高度の医療が適切に提供されるよう、必要な医療施設の整備に努めなければならない。

(調査研究の推進)

第二十条の三  国は、乳児及び幼児の障害の予防のための研究その他母性並びに乳児及び幼児の健康の保持及び増進のため必要な調査研究の推進に努めなければならない。

(費用の支弁)

第二十一条  市町村が行う第十二条第一項の規定による健康診査に要する費用及び第二十条の規定による措置に要する費用は、当該市町村の支弁とする。

(都道府県の負担)

第二十一条の二  都道府県は、政令の定めるところにより、前条の規定により市町村が支弁する費用のうち、第二十条の規定による措置に要する費用については、その四分の一を負担するものとする。

(国の負担)

第二十一条の三  国は、政令の定めるところにより、第二十一条の規定により市町村が支弁する費用のうち、第二十条の規定による措置に要する費用については、その二分の一を負担するものとする。

(費用の徴収)

第二十一条の四  第二十条の規定による養育医療の給付に要する費用を支弁した市町村長は、当該措置を受けた者又はその扶養義務者から、その負担能力に応じて、当該措置に要する費用の全部又は一部を徴収することができる。

2  前項の規定による費用の徴収は、徴収されるべき者の居住地又は財産所在地の市町村に嘱託することができる。

3  第一項の規定により徴収される費用を、指定の期限内に納付しない者があるときは、地方税の滞納処分の例により処分することができる。この場合における徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。

   第三章 母子保健施設

第二十二条  市町村は、必要に応じ、母子健康センターを設置するように努めなければならない。

2  母子健康センターは、母子保健に関する各種の相談に応ずるとともに、母性並びに乳児及び幼児の保健指導を行ない、又はこれらの事業にあわせて助産を行なうことを目的とする施設とする。

   第四章 雑則

(非課税)

第二十三条  第二十条の規定により支給を受けた金品を標準として、租税その他の公課を課することができない。

(差押えの禁止)

第二十四条  第二十条の規定により金品の支給を受けることとなつた者の当該支給を受ける権利は、差し押えることができない。

第二十五条  削除

(大都市等の特例)

第二十六条  この法律中都道府県が処理することとされている事務で政令で定めるものは、地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項 の指定都市(以下「指定都市」という。)及び同法第二百五十二条の二十二第一項 の中核市(以下「中核市」という。)においては、政令の定めるところにより、指定都市又は中核市(以下「指定都市等」という。)が処理するものとする。この場合においては、この法律中都道府県に関する規定は、指定都市等に関する規定として、指定都市等に適用があるものとする。

(緊急時における厚生労働大臣の事務執行)

第二十七条  第二十条第七項において準用する児童福祉法第二十一条の四第一項 の規定により都道府県知事の権限に属するものとされている事務は、未熟児の利益を保護する緊急の必要があると厚生労働大臣が認める場合にあつては、厚生労働大臣又は都道府県知事が行うものとする。この場合においては、第二十条第七項において準用する同法 の規定中都道府県知事に関する規定(当該事務に係るものに限る。)は、厚生労働大臣に関する規定として厚生労働大臣に適用があるものとする。

2  前項の場合において、厚生労働大臣又は都道府県知事が当該事務を行うときは、相互に密接な連携の下に行うものとする。

(権限の委任)

第二十八条  この法律に規定する厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができる。

2  前項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。

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