リハビリテーション

リハビリテーション(rehabilitation)は、re-の接頭辞は「再び」という意味であり、habilitationは「ふさわしい状態にする」というラテン語に由来し、つまり、「再び適した状態にすること」である。中世ヨーロッパでは、信徒の破門の取り消しや名誉回復という意味を持っていた。1918年の第一次世界大戦後、戦傷による障害者の「機能回復訓練」や「社会復帰」をリハビリテーションというようになった。

第二次世界大戦後には、日本でもリハビリテーションは「更生」として導入され、障害者更生施設などが設置され、リハビリテーションは日本でも普及するようになった。

リハビリテーションの代表的な定義として、国連によるものがある。国連は1981(昭和56)年に国際障害者年を実施し、その翌年つまり1982(昭和57)年に「障害者に関する世界行動計画」を発表した。「障害者に関する世界行動計画」には次のような定義がある。

「リハビリテーションとは、身体的、精神的、かつまた社会的に最も適した機能水準の達成を可能とすることによって、各個人が自らの人生を変革していくための手段を提供していくことをめざし、かつ、時間を限定したプロセスである。」

この定義によって、リハビリテーションの理念がそれまでと大きく変わった。その第一は、到達目標を「最も適した機能水準」の達成を可能とすることとしたこと、第二には、その人に最も適した機能水準はその人自らが決定するものであり、専門職はその際必要な援助・支援及び情報提供等を行うこととなったこと、第三にはリハビリテーションの時間を限定したということである。

すなわち、リハビリテーションは障害のある当事者が主体的に取り組み、かつ、時間を限定して実施するものであり、能力を伸ばすことにより、その人らしい人生を実現するための手段として活用するものであると位置づけられたのである。

このように、リハビリテーションは、単に身体的な機能回復だけでなく、精神的、社会的な機能水準の達成をし、主体的に人間らしく生きていくという意味あいがある。日本のリハビリテーション研究の第一人者である上田敏によって、リハビリテーションは「全人間的復権」つまり、「人間としての諸権利の回復」であると言われている。

「時間を限定したプロセス」とは、リハビリテーションは目的を明確にし、具体的な計画を作成して、その計画に基づいて実行すべきであるということである。

リハビリテーションには、
① 治療や機能回復訓練等の「医学的リハビリテーション」だけでなく、
② 職業訓練や保護雇用等の「職業リハビリテーション」、
③ 障害特性に応じた能力開発を行う「教育リハビリテーション」、
④ 社会生活・社会参加を目指す「社会的リハビリテーション」
という幅広い4つの領域があると言われている。

なお、この国連のリハビリテーションの定義をみると分かるように、「時間を限定したプロセス」とわざわざ規定されている。なぜなら、リハビリテーションには、目的を明確にし、具体的な計画を作成して、その計画に基づいて実行すべきであるという考え方があるからである。目的が曖昧で、計画性のないリハビリテーションは、延々と無制限に専門家が障害者の生活に関与し、拘束することになり、障害者の主体性を尊重しないことになるからである。そのため、目標設定は障害者自身が同意できるものでなければならない。

現代の医療でも「インフォームド・コンセント」(十分に知らされたうえでの同意)が不可欠であることを想定すれば、より判断しやすいだろう。

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