手話通訳者の健康管理
1. 手話通訳者の頸肩腕症候群について
(1) 過労性の職業病として我が国だけでなく、欧米でも深刻な問題となっている。
(2) 手指や腕、肩、頸部に痛みや痺れを生じ、進行すると腕を動かせなくなったりする。
(3) 気持ちがふさぎ込んだり、めまいや動悸などの症状もあらわれることがある。
2. 手話通訳者が中枢神経の疲労を生じる要因は「同時通訳など高いレベルでの判断を瞬間的に高密度に行う」ことである。
3. 手話通訳者自身が行う頸肩腕障害の予防対策については
(1) ストレッチ体操は、通訳直後だけでなく、通訳途中の休憩や交代時、通訳終了時も行う。
(2) 無理なスケジュールの組み方は止め、休憩時間や睡眠時間を十分に取る。
(3) 複数の通訳者がいるときは15分~20分程度をめどに通訳を交代する。
4. 手話通訳者の健康管理について
(1) 手話通訳者の正規雇用化は、頸肩腕予防など健康管理の面からも必要である。
(2) 手話通訳者の健康を守る責任は、労働基準法や労働安全衛生法により事業主にある。
(3) 手話通訳者は、肘や腕を無理に上げたり、腰を捻った姿勢やしゃがんだ姿勢での通訳はさけるべきである。
5. 手話通訳者の健康管理について
(1) 手話通訳者の頸肩腕障害はわが国だけではなく、欧米においても深刻な問題となっている。
(2) 頸肩腕障害を予防するためには、照明や騒音、温度や気流、清潔な空気など手話通訳環境の整備も必要である。
(3) 頸肩腕障害の予防には普段から無理が重ならないように適度な休息が必要である。
6. 手話通訳者の健康管理について
(1) 通訳時に身体が冷えないよう、また、方や頸や腕に直接冷気や風があたらないように注意することが大切である。
(2) 肘や腕を無理に持ち上げたり、腰を捻った姿勢やしゃがんだ姿勢での通訳は避けるべきである。
(3) 手話通訳利用者に対して、手話通訳者の業務や心身の負担、手話通訳利用時のマナーについて教育、啓発をおこなう必要がある。
7. 手話通訳者の頸肩腕障害について
(1)1980年代の後半から聴覚障害者の社会参加が進み、手話通訳依頼件数の増加、手話通訳依頼内容の多様化で、手話通訳者の中に身体的、精神的疲労が蓄積し、手話通訳ができなくなる人が出始めました。これは、「頸肩腕障害」という職業病であり、手話通訳者が生きがいを持って健康で働き続けるためには、管理者は手話通訳者の働く環境を整備するとともに、手話通訳者自身が健康問題について正しい知識を身に付け、自己管理することが重要です。
8. 手話通訳者の健康管理について
(1) 特殊健康診断の実施や診断の結果に基づく業務制限指示などの健康管理。
(2) 手話通訳者や手話通訳利用者、職場の人たちへの教育・啓発活動などの教育・啓蒙
(3) 手話通訳者が安心して働け、事業が継続できる雇用条件の整備。
9. 手話通訳者の健康管理については「腕や肩のだるさや凝りなどの一般的な筋疲労症状で始まるため、検診を通じて心身の状況を把握し、予防や疲労回復を図ることが大事である。」とされています。
10. 手話通訳者の健康管理について
(1) 手話通訳が終わった後は、ゆっくりとストレッチ体操をする。
(2) 毎日しっかり睡眠をとる。
(3) 休日などは、手話から離れた趣味やスポーツ、音楽鑑賞などを行う。