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第22回手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)聞き取り通訳試験2010年(平成22年)

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第22回手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)聞き取り通訳試験2010年(平成22年)

聞き取り通訳試験問題

第1問「仕事の中で」

 私は今、介護のケアマネジャーをしています。この仕事は、要介護者や要支援者、また、そのご家族などにお会いして状況や要望を聞き、相談に乗りながら「ケアプラン」という介護サービスの計画を作成することです。
 決して楽な仕事ではなく、毎日しんどい思いをしていますが、明るく生きているお年寄りに出会って、元気をもらうことがあります。
 佐々木さんもその一人です。74歳になる彼は、3年前に脳梗塞(のうこうそく)を患い、右手に麻痺が少し残っていて、お箸を使っての食事や字を書くことは難しくて、思うようにならないこともしばしばです。
 佐々木さんは、自分の右手とお箸をテープで固定してみたり、文字を左手で書いてみたり、いろいろチャレンジしています。
 「俺はいつも前向きでいたいんだよ。」と笑顔で話す佐々木さんは、根気よく努力し、一つひとつの困難をクリアして、はつらつとお元気でいらっしゃいます。そんな佐々木さんを見ると、この仕事への励みを感じます。

第2問「私の友人」

 友人の話である。子どもたちも成人したからと、彼は会社を突然辞めた。調理師学校に通ったあと、数年前に長野県伊那市の里山でペンションの経営を始めた。
 彼がそんな決心をしたのは、登山家の野口健氏が富士山の清掃活動をしていることを知ったからだった。野口氏が活動を始めた11年前は100人ほどの参加者だったのが、昨年は6,800人でもなったという。
 野口氏は、この活動のほかにも、登山のときにガイドやポーターをしてくれるシェルパのための基金を作り、シェルパが遭難した時の際の補償やその遺児の教育にあてている。
 友人は、自分より若い野口氏が登山を通して環境問題から人権問題まで考え、実践していることに感動し、自分も自然の中で緑を守り育てながら暮らしたいと考えた、と言うのだ。
 彼は料理の腕もなかなかのものであるが、宿泊客を里山に案内して、自然と結びついた生活の尊さを伝えようとするなど精力的に活動している。

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