第19回手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)聞き取り通訳試験問題2007年(平成19年)
聞き取り通訳試験問題
第1問「サッカー留学」
日本のサッカーは、その歴史の中で、1964年のオリンピック東京大会でのベスト8入り、4年後のメキシコシティー大会での銅メダル獲得など、輝かしい記録を残しています。
この時期の活躍はドイツから招へいされたクラマーコーチによる徹底的な基礎練習があったからとされていますが、コーチが教えたのは技術のみではありません。「グラウンドはサッカーだけをやるところではない。人間としての修練の場である」「ガールハントをし、酒を飲み、たばこを吸いながら一流のプレーヤーになるのは不可能。サッカーは心の教育である」などなど。ただ勝てばいいのではなく、人間性や礼儀を重んじる彼自身のサッカー哲学を伝えたのです。
1969年には、メキシコシティー大会の日本チームに対して、ユネスコからフェアプレー賞が送られました。「6回の厳しい試合の中、日本選手はよくルールを守り、ラフなプレーがなかった」「競技場の外での日本選手のマナーは、スポーツマンとして模範とすべき」というのが授賞理由でした。
第2問「消費者トラブル」
全国の消費生活センターに寄せられた相談のうち、契約当事者が70歳以上の相談件数は毎年増加し、2000年度4万3千件であったものが、2005年度にはおよそ14万件に達した。
中でも、一人の消費者に業者が商品を次々と販売する「次々販売」。若者への「次々販売」は減る傾向にあるが、高齢者へのそれは増える傾向にある。トラブルの多い商品としては、布団類、着物類、屋根工事・増改築工事などがある。平均契約購入金額はおよそ210万円だが、これは他の年齢層と比べておおよそ75万円も高い。特に年金生活者などの場合はダメージが大きく、深刻な事態を招きかねない。
トラブルに遭わないためには、きっぱりと断ることが重要だ。相手の手口を知ることも強力な武器になる。高齢者自身とその周辺にいる人達が被害の防止対策を講じることが必要である。