第24回手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)聞き取り通訳試験2012年(平成24年)
聞き取り通訳試験問題
第1問「オーロラツアー」
先日、夕食後、家族みんなでのんびりしていた時、以前から「一生に一度でいいから、オーロラを見に行きたい。」と言っていた夫が、突然、「来年の冬に、みんなで、オーロラツアーに行こう。」と言った。
ちょうとその日、久しぶりにランチをした大学時代の友人から、ご夫婦で行ったオーロラツアーの土産話を聞いていたので、その偶然に驚いた。
子どもたちは、大はしゃぎ。「オーロラなら、カナダのイエローナイフっていう町が有名だよね。」と、地理の得意な中学一年の長男が言うと、「そうだよ。そこはね、オーロラベルトの真下で、いつも晴天なんだよ。」と、夫も大喜び。
すると、パソコンに向かっていた小学五年の二男が、「宇宙から見たオーロラの写真があるよ。」と、インターネットで一枚の写真を見つけた。
国際宇宙ステーションから撮影したとあり納得したが、近い将来、地上からだけでなく、宇宙空間からオーロラを眺めるツアーが企画されるかも知れないとの記事を読み、夢が膨らんだ。
第2問「アイ・コンタクト」
私の会社の同僚にITに詳しいろう者がいるのですが、彼は、バレーボールをやっていて、デフリンピック出場を目指しているそうです。
先日の昼休みにたまたま社員食堂で一緒になったので、以前から疑問に感じていた、ろう者はバレーボールでレフリーの笛がわからなくても問題はないのかということを、聞いてみました。
彼は、「そんなことは全く考えていなかった。練習も含めて試合では補聴器をつけないので、みんなほとんど音や声が耳に入らないけど、ろう者は目がいいから、周りの動きが視野に入るし、経験の中で、試合の流れや状況もわかってくるので、レフリーの笛の音は、あまり関係ないよ。」と答えてくれました。
「でも、健聴者は、試合中に声を掛け合いながらボールを回すよ。」という私に彼は、「ラリーが続くときはアイ・コンタクトで確認を取り合うしかないけど、もともと、目でコミュニケーションを取るのは、ろう者のほうが得意だよ。」と爽やかに笑っていました。